暴力の悪循環を止める自制を強く求めるーパレスチナのハマスとイスラエルの戦闘について


2023年1020
日本宗教者平和協議会事務局長 森 修覚  

一、パレスチナのイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模な攻撃と、イスラエルの報復攻撃で、多数の死傷者が出ており、紛争の拡大が強く憂慮される深刻な事態となっている。

一、ハマスの無差別攻撃と民間人の連行は、国際人道法の明白な違反であり、いかなる理由があっても決して許されず、強く非難する。

一、これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は、「長期の厳しい戦争」を言明し、ガザ地区を大規模に破壊しつくす構えで、同地区への電力、食料、燃料などの一切の遮断措置を発表した。おびただしい犠牲を生む無差別攻撃は、占領下にあって保護されるべき人々に対する集団的懲罰であり、正当化できない。暴力の応酬の悪循環を止めるため、双方は最大限の自制をすべきである。

一、今日の事態の根底には、イスラエルがこの間、住民の強制排除をおこないながら国際法違反の入植を拡大し続け、ガザ地区には封鎖と、空爆や侵攻を繰り返してきたという問題がある。

一、中東和平をめざすうえで、①イスラエルの占領地からの撤退、②パレスチナ独立国家樹立を含む民族自決権の実現、③両者の生存権の相互承認という原則の下に話し合いで解決する立場に立つことが重要である。これらは、国連の一連の決議にみられるように、国際的なコンセンサスとなっている。

一、暴力の連鎖と紛争の拡大は、パレスチナ国家の実現とイスラエルとの平和共存につながる交渉を通じてのみ終わらせることができる。事態を打開し、国際的な合意を踏まえた中東和平への道を拓くためにも、関係各国と国際機関が今、あらゆる外交努力をおこなうよう強く呼びかける。

一、宗教者は、釈尊の「すべての者は暴力におび゙え、すべての者は死を恐れる。己が身をひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ」(『ブッダの真理のことば』)やイエスの「剣をとるものはみな、剣で滅びる」を呼びかける。

イスラエルはガザ住民への無法・無差別攻撃を即時中止し、撤退を!

日本宗教者平和協議会の活動を支える「年末カンパ」と「被爆者連帯と東日本大震災・原発被災者支援募金」のお願い


 日頃から日本宗平協の活動を物心両面で支えていただいておりますことに心から御礼申し上げます。
 昨年2月ロシアによるウクライナ侵略のもと、プーチン大統領による核兵器使用の威嚇が繰り返されています。また、この10月、イスラエルがパレスチナ・カザ地区への空爆攻撃での市民の犠牲者が数千人と報道されています。いずれも双方が停戦し話し合いで国連憲章を守れと訴えます。
 今年も気象異常でくり返し災害被害がもたらされました。被害に遭われた皆さんに心よりお見舞い申し上げます。晩秋から初冬への季節となり、一段と寒さも加わって参りましたが、コロナ、インフルエンザの感染にご留意され、ご活躍されますよう祈念いたします。
 被爆78年の年、日本宗平協は今年も、3月の焼津での被災69年3・1ビキニデー・墓前祭を通年通りして開催しました。ビキニデー集会、宗教者平和運動交流集会も再開できました。
福島・宝鏡寺での碑前祭、全国理事会開催、原水爆禁止世界大会、「いのちをえらびとる断食の祈り」を執り行い、日本宗教者平和会議in韓国は事情により中止し来年できるよう準備します。「笹の墓標展示展」全国巡回にも全国で協力しています 
 結成61年を迎えた日本宗平協のさらなる継続、活動を発展させるためにも、なにかと出費の重なる時期ではございますが、日本宗平協の「年末カンパ」などへのご協力を心からお願い申し上げます。
 いま、大軍拡、暮らし破壊の増税、物価高、円安を進めるなど反国民的な岸田政権の支持率が最低を示す中、民主運動などご活躍のことと存じます。
 国際法の核兵器禁止条約は22122日に発効し、批准国69カ国に達しました。核兵器による破壊の危険から人類を救うために、新たによびかけられた日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める署名をひろげ、いのちと平和な未来にかかわる核兵器のない平和な世界のための祈りと行動に取り組んでいかなければと考えております。 新基地建設反対の沖縄県民の民意を表明した県民投票の結果を岸田自公政権は尊重すべきです。宮古島・石垣島など南西諸島への自衛隊配備は、「日本防衛」とは無縁の対中国〝封じ込め〟の離島防衛に名を借りたもので抗議とたたかいの運動を強めていきます。岸田自公政権が進める大軍拡、大増税ストップを市民とともに阻止のために尽くします。
 原発の再稼動を許さず、「原発ゼロ」など、いのちと平和な未来にかかわる諸課題に、「平和の祈りを行動の波へ」と宗教者の責務を果たさなければなりません。
 東日本大震災・原発被害者への募金に毎年取り組んできました。今年も継続いたしますので、ご協力の程、よろしくお願いいたします。日本被団協、広島、長崎へお見舞い金として贈っています。福島の施設へ「ちひろカレンダー」を贈呈しています。
  「被爆者連帯と東日本大震災・原発被災者支援募金」は、1口1,000円で5口以上お寄せいただいた方には「ちひろカレンダー」を贈呈いたします。
 どうぞ、ご協力くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

   2023年11月6日
 日本宗教者平和協議会

代表委員:榎本栄治 奥田靖二 工藤良任 桑山源龍 
     高木孝裕 殿平善彦 宮城泰年、山崎龍明
代表理事:荒川庸生 遠藤教温 長田 譲 小野和典 
岸田正博 山本光一
事務局長:森 修覚