2023年被災69年3・1ビキニデー墓参行進・久保山愛吉墓前祭を開催



 「原水爆の犠牲者は私を最後にしてほしい」(久保山愛吉)「地球上から一発残らず核兵器をなくして下さい」(久保山すゞ)毎年3月1日の墓前祭を継続して60年、ビキニ被災からは68年の歳月が経過する本年、通年規模で『久保山愛吉墓前祭』が焼津弘徳院で行われました。
墓参行進に500人が参加

 焼津駅から弘徳院までの「久保山愛吉氏献花墓参行進」が4年ぶりに行われました。500人が参加しました。

墓前祭に700人が参列

 鈴木君代師(真宗大谷派僧侶・シンガーソングライター)の進行で10時半開式。
 第Ⅰ部追悼法要で岸田正博代表理事が主催者挨拶。久保山氏の「原水爆の犠牲者は私を最後にしてほしい」の遺言にこたえるために、ロシアの核兵器使用を何としても阻み侵略をくいとめると強調し開催の意義を述べました。
 本年も松永芳信弘徳院住職の読経と法話。参加者700名が久保山さんの遺影の前と墓碑前にて合掌・焼香しました。
 挨拶は第五福竜丸平和協会の山本義彦理事が述べました。(山本氏の挨拶文は『宗教と平和』本号にて掲載)
 焼津市長・広島市長・長崎市長のメッセージも同3月号にて掲載させて頂きます。

誓いの集い…各団体から
 第2部の「誓いの言葉では、日本原水爆被害者団体協議会事務局次長濱住治郎様、原水爆禁止世界大会実行委員会・日本原水協代表理事高草木博様、全国労働組合総連合 副議長 前田博史様、新日本婦人の会中央本部会長 米山淳子様、宗教者・浄土真宗本願寺派安孫子義昭様 日本共産党中央委員会 焼津市議会議員 深田ゆり子様、日本民主青年同盟中央委員会・静岡県委員長橋爪春人様、3・1ビキニデー静岡県実行委員会・静岡大元副学長日本科学者会議静岡支部 ・石井潔様が誓いを述べました。日本青年団協議会様からのメッセージ紹介されました。(誓いの言葉は次号で紹介)
 終わりに、小野和典日本宗平協代表理事が閉会挨拶を述べ墓前祭を終了しました。
 墓前祭の様子は、当日の各放送局での報道、翌日の新聞各紙でも紹介されました。願いを新たにしました。

宗教者平和運動交流集会を4年ぶりで開催  


 被災69年3・1ビキニデーの前日の2月28日に焼津市内で開かれた宗教者平和運動交流集会は記念講演「大軍拡の本質は」・「安保3文章」改訂と題して、埼玉県平和委員会の二橋元長事務局長が1時間話しました。
 講演の主な内容は いま世界も、日本も最大の岐路に立っている。国際的には、国連憲章にもとづく平和・公正・対等の国際秩序への大きな一歩を踏み出すか、それとも軍事力、経済力の力がモノをいう弱肉強食の世界への逆戻りかが岐路となっている。
 国内的には日本国憲法を生かした平和・人権・民主主義が花開く未来か、それとも軍拡・改憲・核共有などの「戦争する国」への道かが岐路に立っていると問いかけました。
 いま人間を幸せにしない日本というシステムや着々と進められてきた「戦争する国づくり」や「安保3文書」改訂は、米国の国家安全保障戦略の引き写しと指摘しました。
 「安保3文書」の視点は「軍事対軍事」一辺倒で外交は「同盟強化」でそしりはまぬがれない。改訂のポイントは「敵基地攻撃能力」保有、軍事費2倍化を視野に大軍拡、すべてを防衛力強化と結合させる。台湾有事を視野に同盟強化し、米国の「核の傘」依存を強化して、軍事大国へ国家総動員体制をめざすものと本質を明らかにしました。
 岸田自公政権は「反撃能力」と言い換えたり、この重大な「大転換」を国会にも諮らず、国民の信をも問うてもいない。武力では平和はつくれない。 平和な日本をめざすためにはASEANの努力に学ぶべきで憲法9条にもとづく徹底した平和外交が求めれると強調しました。
 講演では米国と日本の具体的な資料にもとづいて説明され、いかに米国の言いなりになっているかが明らかにされました。
 講演の内容は4月号から掲載予定です。
 講演後NHKの「こころの時間」福島からの伝言を放映。昨年12月死去された福島・楢葉町の宝鏡寺・早川篤雄住職の反原発のたたかいの内容で1時間学びました。
全国の参加者から平和運動報告がありました。 最後に集会アピールを採択し閉会しました。

歴史に学び憲法を守り活かし希望ある日本と世界へ


『建国記念の日』反対2023年2・11集会」


 2月11日午後、「歴史に学び軍拡・改憲を許さず平和な日本と世界へ」をテーマに「『建国記念の日』反対2023年2・11集会」が東京労働会館ホールで開催され、オンラインも含め約120人が参加しました。
 集会では、新井勝紘・元専修大学教授が「関東大震災朝鮮人虐殺100年と日本社会――虐殺絵に注目して」と題して講演。ご自身が発掘してきた震災直後に起きた朝鮮人虐殺が描かれた絵をパワーポイントで示しながら解説。 虐殺を目撃した当時の子どもや画家による絵は、新井氏が1990年代以降に発掘してきたもの。新井さんは「日本国民がこの虐殺事件に向き合ってこなかった」と指摘。「事件から100年にあたる今年、虐殺絵を深く読み解き、次世代に伝えていかなければならない」と訴えました。
 続いて、「沖縄の風」の伊波洋一参院議員が「改憲・軍拡反対の声を大きく――沖縄・南西諸島の状況と台湾有事の日米共同作戦の危険性」と題して講演。アメリカの対中国戦略のもとで日本の国土、とりわけ沖縄など南西諸島が着々と軍事要塞化されている状況を詳述。今回の「安保関連3文書」は日本が中国本土でたたかうと踏み込んでしまったと指摘。日本を戦場化しようとする流れをどうしても止めなければならないと強調し、米国の戦略につき従い大軍拡、大増税を進める岸田政権を批判し、今国会での奮闘を誓いました。
 リレートークでは、米田俊彦・お茶の水女子大学教員が「国際卓越研究大学問題と学問の自由の危機」のテーマで、核兵器と戦争のない世界をめざす「高校生平和ゼミナール」と、アルバイト先の企業と団体交渉を進める「学生ユニオン」の活動が報告されました。
 集会は、最後に「誠実な歴史認識の向こうにアジアと世界の平和を見据えつつ、憲法の理念が生きる社会を創り出していきましょう」と呼びかける「集会アピール」を採択しました。