ロシアのウクライナ侵攻を厳しく非難する
ただちに軍事行動をやめ、撤兵せよ


 2022年2月24日  日本宗教者平和協議会

 ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部地域で親ロシア勢力が「独立」を宣言している二つの地域を独立国と承認したのにつづいて「派兵要請」を受けたとして「全面侵攻を開始」しました。こうした行動は、戦争に反対し、問題の平和的解決を図ろうとする国際社会の努力を真っ向から踏みにじるものであり、断じて許されない違法な侵略行動であり厳しく抗議するものです。
 私たちは、「原水爆時代においては宗教者が信仰の名において国際的な現実にかかわりなく過ごすことは許されません」「人類絶滅の外に立つ信仰ということはありませんし、今日、信仰の名において現実を回避することによって自己の平安を得るということができるでしょうか」(第二回世界宗教者平和会議「東京宣言」1964年)の理念に立ち、日本の侵略戦争の反省、宗教者の戦争責任の反省にもとづき「平和の祈りを行動の波へ」と被爆国の宗教者として核兵器のない平和で公正な世界の実現をめざしてきました。
 今回のロシアの軍事行動は国連加盟国の主権、独立、領土尊重、武力による威嚇の禁止などを明記している国連憲章に明確に反するものであり、領土拡張など軍事力で現状を変更することは国際社会で絶対に許されません。
 チェルノブイリ原発をその制圧から直ちに解放し、核兵器の使用とその威嚇につながるいかなる行動もおこなわないよう強く求めるとともに、「独立」承認の取り消し、即時の軍事行動停止と撤兵、そして核兵器の禁止・廃絶に踏み出すよう強く要求するものです。
 岸田政権にたいしてプーチン大統領への平和の秩序の侵害を許さない毅然とした姿勢とともに核兵器禁止条約の批准、「核の傘」からの離脱、憲法9条にもとづく平和外交を強く求めるものです。

2022年被災68年3・1ビキニデー

コロナ禍中、感染対策を講じ墓前祭を開催


被災68年3・1ビキニデー 久保山愛吉墓前祭を挙行、困難な状況下での開催
 「原水爆の犠牲者は私を最後にしてほしい」(久保山愛吉)「地球上から一発残らず核兵器をなくして下さい」(久保山すゞ)…毎年3月1日の墓前祭を継続して58年、ビキニ被災からは68年の歳月が経過する本年2022年、コロナ感染症拡大の中での困難な状況下、『久保山愛吉墓前祭』が焼津弘徳院で行われました。

規模縮小の中での墓前祭
 森修覚事務局長の進行で10時半開式。第部追悼法要で荒川庸生代表理事が主催挨拶。久保山氏の「原水爆の犠牲者は私を最後にしてほしい」の遺言こたえるために、ロシアの核兵器使用を何としても阻み侵略をくいとめると強調し開催の意義を述べました。
 例年は焼津市仏教会で法要勤修のところ、本年も松永芳信弘徳院住職の読経と法話。参加者60名が久保山さんの遺影の前と墓碑前にて合掌・焼香しました。
 挨拶は第五福竜丸平和協会の山本義彦理事が述べました。(山本氏の挨拶文は『宗教と平和』本号にて掲載)
焼津市長・広島市長・長崎市長のメッセージも同3月号にて掲載させて頂きます。
誓いの集い…各団体から
 日本原水爆被爆者団体協議会の木戸季市事務局長は「ロシアの核兵器の威嚇は被爆者の願いを踏みにじるもの。世界の人たちとプーチン大統領の野望をやめさせていく。久保山さんの言葉を肝に銘じ、再び被爆者をつくらせない」と強調しました。
 原水爆禁止世界大会実行委員会の高草木博代表委員、3・1ビキニデー静岡県実行委員会の谷健二静岡大学名誉教授は、ロシアのウクライナ侵略と核兵器使用を許さず、被爆国・日本政府に核兵禁止条約署名・批准させる決意を述べました。
 当日コロナ禍で参加発言を遠慮申し上げた諸団体、全国労働組合総連合・新日本婦人の会中央本部・日本共産党中央委員会・日本民主青年同盟中央委員会からも誓いの言葉が寄せられました。(機関紙『宗教と平和』4月号以降にて紹介)
 昨年3月に亡くなられた第五福竜丸乗務員の大石又七さんの義理の妹さんの河村惠子さんが墓前に「兄が生きていたらロシアが核兵器をちらつかせて脅しをかけるのは絶対許さない、親族の一人として体験を引きついで行きたい」と述べました。
 また、すずさんが育てたバラの「孫株」を全国に広める運動している粕谷たか子さんは昨年、「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマを結ぶ『非核の火』」をともす福島県楢葉町の宝鏡寺へバラを移植したことを紹介。今回京都への移植が京都の宗教者に託されました。
 終わりに、小野和典日本宗平協代表理事が閉会挨拶を述べ墓前祭を終了しました。
 墓前祭の様子は、当日の各放送局での報道、翌日の新聞各紙でも紹介されました。願いを新たにしました。