年頭所感

代表委員 奥田靖二(浅川金刀比羅神社宮司)


油断できない2つ
 
 二年にもわたるコロナ禍、「もういいでしょう」と新しい年はマスクにさよならをして晴れ晴れとした日々を過ごしたいものですね。でも、まだ油断はできないとか。
 油断できないことはもうひとつ。昨年秋、いわば駆け込み的に発足した岸田新政権による「敵基地攻撃能力」のための軍事費の大幅増強と改憲への動き。警鐘乱打してその危険性をアピールしなければなりません。また、沖縄の辺野古新基地建設の強行、原発の汚染水の海洋放棄(処理水と名を変えようが、沖合までパイプを伸ばそうが)は許されない暴挙です。安倍政権時代の「モリ・カケ・サクラ」も隠蔽させてはなりません。夏の参議院選挙を山場として新年早々から活動を重ねましょう。
 三月の「3・1ビキニデー墓前祭」「宗教者による祈りの集い」、八月の「原水爆禁止世界大会、いのちをえらびとる断食の祈り」」ほか課題は山積です。私たち宗教者は先のアジア太平洋戦争に対する反省から「・・かかる凄惨なる戦争の勃発する以前に、身命を賭しても、平和護持の運動を起こし…」(全日本宗教平和会議・1947年5月5日)という懺悔の表明を何度も思い起こさなくてはならない時を迎えています。 今年は、日本宗平協結成から60年を迎えます。昨年何人もの先輩たちを失った無念を乗り越え,その遺志にも答えるべく私たちも健康に留意し活動を大いに進めようではありませんか。

日本宗教者平和会議は1962年結成から今年2022年で60年を迎えました

誇りをもって


 2022年は日本宗教者平和協議会(略称・日本宗平協)の結成から60年を迎えました。
 当時を語る先達は今は見当たらないのも寂しいものです。
 さて当時の資料、先達が語った書籍などから振り返って、その意思を受け止め今後の活動に活かしていくことが求められているのではないでしょうか。

 今後の宗平協のあり方について、故鈴木徹衆師は、「平和の祈りを行動の波へ=日本宗平協50年の歩みと明日への展望」で「誇りを持って」として「宗平協ができた頃は、『宗派、信仰の相違を超えて団結する』なんていうのは信仰心がない宗教者のやることだ なんてよく言われ、おこられもしました。しかし、この歩みというものは不朽の歩みであり、なにものをもってしても消すことのできない、日本の宗教者が多くの平和民主団体と共に作り上げてきた宗教運動史、誇るべき運動史であり、それこそ21世紀の今最も宗教が注目されていますけれども、それらの中で基本的な姿勢と具体的な共同の目標を見失わず推進できる唯一の団体であることということで、どうか、誇りをもってこの運動をすすめていただきたい」と語っています。

辺野古新基地建設を許さず、誇りある名護市へ
―名護市長選への連帯・支援をよびかけます―


202112月2日
平和・民主・革新の日本をめざす全国の会(全国革新懇)
平和・民主・革新の日本をめざす沖縄の会(沖縄革新懇)

 名護市長選が2022年1月16日告示、23日投票でたたかわれます。辺野古新基地建設を許さない岸本洋平さんを必ず勝利させましょう。この市長選は、何よりも名護市民の暮らしを守る選挙であるとともに、平和と民主主義、自治を問い、沖縄と日本の進路にもかかわる意義を持つ重要なたたかいです。全国革新懇と沖縄革新懇は、全国各地、各団体からの力強い連帯と支援をこころからよびかけます。
 市長選は、沖縄県民・名護市民の明確な民意を踏みにじって新基地建設を強行する安倍・菅・岸田政権、自民・公明勢力と、新基地建設計画を拒否し、誇りある平和で豊かな沖縄県、名護市を求める名護市民、オール沖縄との激突です。政府・防衛局は、違法を重ね、県当局の要請を無視し、警察力まで動員し、辺野古新基地建設に強行着手し、美ら海を破壊し、沖縄戦没者の遺骨の混じった土砂までも投入しようとするなど恥ずべき暴挙を重ねてきました。しかし、辺野古新基地は超軟弱地盤がみつかるなど、とうてい完成できないあい路に陥り、計画変更を余儀なくされています。玉城知事の設計変更不承認によって、政府は大浦湾での工事を続けることができなくなっています。いま市長選に勝利するならば、玉城県知事の不承認を支え、無法な土砂投入を阻止し、辺野古新基地建設計画を葬り去り、秋の沖縄県知事選の勝利、さらに平和で誇りある豊かな沖縄、戦争の拠点でなく平和の拠点としての沖縄への道を開くことができます。
 それはまた、敵基地攻撃能力の保有など戦争する国づくり、改憲の企てを急ぐ、自公維など改憲・補完勢力への痛撃になり、改憲を阻止するうえでも大きな意義を持つでしょう。
 それだけに政府は、争点隠し、組織締め上げなど権力・金力の総力をあげて、選挙にのぞんでいます。自公政権いいなりの候補者に負けるわけにはいきません。大激戦に勝ち抜くためには、名護市民、オール沖縄の奮戦とともに、全国からのこころを込めた連帯と支援が強く求められています。
 「沖縄県民のたたかいは、私たちのたたかい」として、一貫して連帯活動に取り組んできた革新懇運動の力を発揮するときです。全国各地で、沖縄連帯の行動をすすめながら、カンパ支援を大きくすすめましょう。また現地への代表派遣などは沖縄の要請に応えて取り組みましょう。力を合わせて名護市長選勝利へ全力をあげましょう。

☆名護市長選支援カンパは、以下によろしくお願いします
☆郵便振替口座 01710―9―127910 
 名義 沖縄革新懇
211221日現在)

沖縄・南部土砂の問題


20211129
支援者の皆様

島ぐるみ宗教者の会
ガマフヤー支援者の会
事務局 谷 大二

皆様ご健勝のこととお慶び申し上げます。
島ぐるみ宗教者の会、ガマフヤー支援者の会は昨年12月から南部島ぐるみの会、本土の宗教者・支援者の皆様と共に南部土砂の問題に取り組んできました。具志堅隆松氏が糸満市米須の鉱山開発の現場で遺骨を発見して1年になります。この1年の経過報告を送ります。これまでの皆様のご支援、ご協力に感謝するとともに、今後ともご協力をお願いします。

南部土砂問題経過報告
■具志堅さんと支援者は3月に県庁前広場、6月に平和祈念公園、8月に靖国神社前でハンストを行いました。3月と6月は玉城知事もテントに。
3月、県知事に提出した署名はわずか1か月で38,000筆(テント前6000 SNS32,000)集まりました。9月には国(防衛省)に別途、東京で集約した33,000筆の署名を提出しました。
5月、沖縄県知事は熊野鉱山に措置命令。9月、熊野鉱山は措置命令を不服として「公害等調整委員会」に取り消し請求を行いました。この1216日に東京で最初の審査が行われます。現在、熊野鉱山の工事はストップしています。
■熊野鉱山は鉱山の搬出路がないため、農地転用申請を行っています。転用期間は3年で、鉱山開発計画も当初の7年を3年に短縮せざるを得なくなっています。なお、この搬出路はシーガーアブ(二つガマ)の連絡洞の上を通る計画で、歴史的遺構の破壊が懸念され、糸満市議と連携して対応を検討中。
■「遺骨を含んだ南部土砂を埋め立てに使う計画を撤回せよ」という意見書が全国138の自治体で採択され、国に提出されています。さらに国に計画の断念を迫っていくため、まだ採択されていない自治体に住民から陳情や誓願を提出するよう訴えています。県内は11/26に再陳情を発送済。
■戦没者遺骨の散逸を防ぐために、県は沖縄戦跡国定公園の特別地域の拡大を検討しています。それによって届け出が許認可となり、遺骨の散逸を防ぐために規制がかけられます。また、南部だけでなく本島全体でも遺骨が眠っています。遺骨の散逸を防ぐ条例制定の研究会を立ち上げ、与党県議団とも話し合いを進めています。来年の復帰50年合わせて、条例制定を目指しています。
1125日、県は防衛局の出している辺野古新基地建設設計変更申請に対して不承認としました。南部土砂の人道上の問題は不承認の根拠理由には入りませんでしたが、知事は記者会見で南部土砂の人道問題についても言及し、「南部土砂は使わせない」と決意を表明しました。
■厚労省、防衛省交渉も行ってきました。政府は国会の答弁で、「県内と県外のどちらから調達するかも含め、現時点では確定をしていない」と言っていますが、計画書に南部土砂を書き入れること自体、人道上の視点を欠くもので、今すぐ撤回すべきです。また、「仮に南部で土砂採掘する場合には、業者に戦没者のご遺骨に十分配慮したうえで行われるよう求める」と答弁しています。2016年に施行された「戦没者遺骨収集推進法」では遺骨収集は国の責任であると明確にしています。業者任せにするのではなく、国が責任をもって積極的に遺骨の散逸を防ぎ収集すべきです。
■南部土砂問題ではホームページを立ち上げています。
https://action-nanbudosya.jimdofree.com/  「ホームページ アクション南部土砂」検索
以上