第49回衆議院議員総選挙に関する声明


 1031日に行われた衆議院議員総選挙は、自由民主党は議席を減らしたものの単独過半数を維持し、自民党と立憲民主党の減少分を日本維新の会が吸収するという結果に終わった。

 市民連合は、立憲野党に「市民と野党の共闘」、「野党共闘体制の確立」を求めて取り組んできた。立憲野党は289の小選挙区の4分の3で候補者を一本化し、一騎打ちの構図を作った。各地で野党候補の勝利のために奮闘した市民の方々には深い敬意と感謝を表明したい。多くの選挙区で野党候補が僅差の敗北を喫したことは極めて残念である。接戦の選挙区が多かったことは、野党と市民の協力に一定の効果があったことを意味していると思われる。しかし、野党と市民連合の政策が、今の政治に様々な疑問を感じている無党派層の理解や共感を得られなかったことを、反省しなければならない。

 この選挙の反省をもとに、日常的な政策実現の取り組みと合わせて、来年の参議院選挙を戦う体制を再構築しなければならない。市民連合としては、今後とも自民党に代わる選択肢を創出するよう、努力を続けていきたい。
   2021年11月1日

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

 宗教者核燃裁判第3回公判開かる


 青森県六ケ所村の再処理工場の運転停止を求め仏教やキリスト教など諸宗教235人の原告が提訴した「宗教者核燃裁判」の第3回公判が東京地裁で7日開かれ、再処理工場の安全性、耐震性などの問題を主張しました。
 日本聖公会信徒の池住義憲さんが「ジャストピース」の考え方を示しながら、いのちをつなぐ権利を求める意見陳述を行いました。

池住義憲さん意見陳述

 東京地裁において10月7日、「宗教者核燃裁判」第3回口頭弁論が開かれました。池住義憲さんが原告意見陳述しました。5~6分の制約のもとでの陳述でしたが、要約版の意見陳述です。
 その後の報告集会は、左記のURLで視聴できます。私は、河合弘之弁護士からの裁判概要経過の後、10分ほど報告しました。報告集会のご視聴は左記で。
https://www.youtube.com/watch?v=00cf_ZXv.jeU

池住義憲さんの
原告陳述書(要約版)

 私は日本聖公会名古屋聖ステパノ教会信徒です。青森県六ケ所村使用済み核燃料サイクル施設の運転によって、私の平和と公正を希求する生き方が否定され、権利が侵害されていることを、陳述します。
 原発が稼働され続ける限り使用済核燃料は出し続けられ、再処理工場へ運ばれます。たとえ事故が起こらなかったとしても、使用済核燃料は増え続けます。保管・貯蔵・再処理技術・最終処分施設とその方法・膨大な経費など、問題は山積しています。解決の目途は、立っていません。このままではそれらすべての負荷と課題は、未解決のまま、次の世代以降に先送りされます。
 私は、自らの命と暮らしと安全を憂いているだけではありません。このまま進むと、次の世代の人たちの環境・命・暮らしがどうなってしまうか、不安です。私たちの命を未来にどう繋ぐか。これは私の生き方・人格であり、今を生きる私たちの責任です。この責任を全うして生きることは、私の権利です。
 私は、私たちの幸せだけでなく、後世の人々の幸せを祈り実現させたいと願っています。現世代だけでなく、未来世代のためにより良い地球環境を残したいと願っています。これが否定されることは、すなわち私の人生、私の生き方そのものの否定です。“抽象的不安”や“単なる精神的苦痛”など、軽い言葉で片付けられるものではありません。
 
 私が「いのちをつなぐ権利」を確信するに至った経緯を話します。2015年11月、私は友人とドイツを訪問しました。その時、ドイツ脱原発倫理委員会の中心的役割を果たしたミランダ・シュラーズさんにベルリン市内の大学で会いました。
 ミランダさんは、「事故は起こる。起こったら他のどんなエネルギーより危険で、取り返しがつかない。原子力より安全なエネルギー源が存在する」と言いました。ドイツが脱原発に舵を切った理由です。そして、原発廃止のためにかかるインフラ整備等のコストは、「次世代への投資」であること。国全体の経済発展を刺激する大きな要因であること。一時的に国民の負担が増えても、次世代のことを考えて舵を切ったのです。
 ドイツ脱原発倫理委員会が指摘した通り、2011年3月、福島第一原子力発電所で事故は起きました。「事故は起こる」、「起こったら他のどんなエネルギーより危険で、取り返しがつかない」。まさにその通りでした。
 
 もう一つ大切にしていることがあります。「ジャストピース」いう考え方です。「ジャストピース」(Justpeace)とは、「公正にもとづいた平和」という意味。ジャスト(Just)は「公正/正義」。この場合のジャストとは、自分たち地域だけの公正/正義ではありません。
 他の地域、他の社会、他国の公正/正義を含みます。途上国の飢餓人口を拡大させ、途上国の生物多様性と環境を破壊させて成り立っている私たち先進国の経済繁栄豊かさは、ジャストピースといいません。
 同様に、他者を傷つけて成り立つ安全、未来世代のいのちを脅かして得る繁栄と豊かさは、「ジャストセーフティ」(Justsafety)と言いません。「公正にもとづいた安全」ではありません。
 今を生きる私たちの命も、未来に生きる人たちの命も、重さ・尊さは同じです。こうしたジャストピースという視点/考え方は、私の55年間の信仰生活、私の36年間のNGO活動とその後の大学教員研究で学び得た、大切な価値観です。生き方の基盤、私の信仰の基盤になっているものです。
 私は、まだ見ぬ未来の人たちの苦しみ・痛み・不安・恐怖などに、無関心、無感動で居られる人間ではありません。世代を超えて、他者の苦痛を自分の苦痛と感じる、限りなく感じ取ろうとする人間です。
 六ケ所村再処理工場運転を容認する・ことは、私の人格の中心を構成している価値観、生き方を侵害します。私の人生の否定になります。ゆえに私は、再処理工場運転を受忍・受容することできません。再処理工場運転を差止めてください。司法の公正な、ジャストな判断を求めます。 以上
 (1010日付 FBより転載させていただきました。)

非核の政府を求める会が申し入れ

核兵器禁止条約に参加し、被爆国にふさわしい役割果たせ

岸田正博代表理事が参加


 非核の政府を求める会は9月7日、第76回国連総会を前にして日本政府が核兵器禁止条約に参加し、核兵器廃絶に向けて被爆国にふさわしい役割を果たすよう外務省に申し入れました。
 申し入れには日本宗平協代表理事の岸田正博師(多聞寺住職)が参加しました。
 要請の内容は、日本政府が、①核兵器禁止条約に署名・批准する立場を表明し、国連加盟国に条約参加を促すこと、②「核抑止力」依存を見直し一日も早い核兵器禁止・廃絶を訴える決議案を提案すること、一連の核兵器廃絶決議案に賛成票を投じること、③非核三原則を厳守し、「核密約」を破棄することなどを申し入れました。

大原光夫師を追悼


 大原光夫さま。あなたのご往生を聞いて、少し迷いました。せめて顔だけでも見に行こうかと。
 あなたの声が聞こえたように思います。来んでもええ、好きなように生きて、好きなように死んだから心配するな、と。それで、あなたへ言葉を送ることにします。
 私はあなたの友人でした。かなり特別な友人のつもりです。色々一緒にやってきたし、人生の大切な時期を共にしてきたと思います。あなたを理解している少ない一人だと自認しています。
そんな私にも、あなたは不思議な人物でした。いつも私の想像を超えた人でした。仕事においても、運動においても、遊びにおいても。こんなすごいことを、こんな面白いことをどこから見つけてくるのだろうと驚嘆するのです。
 思い出すのは、ずいぶん前ですが、私が訪ねた八幡のアパートで、あなたは「坊さんになる」というのです。府議会議員候補で選挙など戦ってきたあなたが、なんとインチキなことを考え出したのだろうと笑ってしまいました。アパートの床の間に阿弥陀さんの絵像をかけて、ゼロからの出発でした。それが、あれよあれよという間に浄泉寺を建立し、檀家が押し寄せる、都会のオアシスのようなお寺をつくってしまいました。布教に出るというのです。作法を一から伝授しましたが、どうも心配です。あなたは私の心配などどこ吹く風で、全国の寺院を布教して回りました。なんという実践的な僧侶でしょう。時代があなたを育てたのか、あなたが時代を創ったのか、現代の新たな仏教寺院と僧侶の可能性をひらいたと言ったら大げさでしょうか。
 遊びも色々教わりました。うまいものも随分食べに行きました。
 昨年暮れに京都に行く予定があり、結城とあなたと3人で牡丹鍋を予約していましたが、コロナに恐れをなして私がキャンセルしてしまいました。あれから1年も経たないのに、結城もあなたもいなくなった。あの時行っておけばよかった、と思っても後の祭りです。
 あなたはお浄土に往っているかどうか、少しあやしいですね。お浄土より地獄が似合う私たちですから、今度出会うのは地獄の3丁目でしょうか。でも、阿彌陀さんはそんな私を何とかしたいとご苦労してくださっているから、お浄土で遇えるかも知れません。
 今生では、なんともうれしい付き合いをいただきました。名残は尽きませんが、一足先に逝ったあなたをお念仏と共に見送ります。さようなら 
南無阿弥陀仏

2021年1011
あなたの友人 殿平 善彦

日本宗教者平和協議会の活動を支える「年末カンパ」と
「被爆者連帯と東日本大震災・原発被災者支援募金」のお願い


 新型コロナウイルス禍の中、日頃から日本宗平協の活動を物心両面で支えていただいておりますことに心から御礼申し上げます。
 今年も気象異常でくり返し災害被害がもたらされました。被害に遭われた皆さんに心よりお見舞い申し上げます。晩秋から初冬への季節となり、一段と寒さも加わって参りましたが、なにとぞコロナ、インフルの感染にご留意されますよう祈念いたします。
 総選挙、「戦争するな」「平和と民主主義を守れ」の取り組みに加え、なにかと出費の重なる時期ではございますが、日本宗平協の「年末カンパ」などへのご協力を心からお願い申し上げます。
 日本宗平協は今年も、3月の焼津での3・1ビキニデー・墓前祭を規模縮小して開催しました。しかし、ビキニデー集会、福島での「諸宗教の祈りのつどい」、全国理事会開催、平和会議の延期、中止などを新型コロナウイルス感染拡大によって判断せざるを得ませんでした。
 被爆76年の年、NPT再検討会議延期、原水爆禁止世界大会in広島、長崎、平和行進など縮小、オンライン開催となり、運動、資金とも困難ななか前進させました。広島で「いのちをえらびとる断食の祈り」を感染対策をとり実施しました。
 核兵器禁止条約は今年122日に発効しました。国際法になりました。核兵器による破壊の危険から人類を救うために、新たによびかけられた日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める署名をひろげ、いのちと平和な未来にかかわる核兵器のない平和な世界のための祈りと行動に取り組んでいかなければと考えております。
 安倍政権は昨年828日辞任を表明、916日に菅政権が発足しましたが今年の9月で辞任。その後の岸田政権は安部・菅政権の直結政権で、その中身は安倍・菅政治を継承し、自助を掲げる新自由主義を強調、日本学術会議の6人の任命を拒否する強権政権と言わざるを得ません。モリカケ、加計、桜見る会など「アベでスガ」権力の私物化の解明には政権交代が必要です。市民と野党共闘の政権を示すときです。10月の総選挙では共闘の成果を発揮出ませんでした。市民連合と野党の共闘を来年の参議院選挙へ結んでいきましょう。
 新基地建設反対の沖縄県民の民意を表明した県民投票の結果を岸田政権は尊重すべきです。宮古島・石垣島など南西諸島への自衛隊配備は、「日本防衛」とは無縁の対中国〝封じ込め〟の離島防衛に名を借りたもので抗議とたたかいの運動を強めていきます
 原発の再稼動を許さず、「原発ゼロ」など、いのちと平和な未来にかかわる諸課題に、「平和の祈りを行動の波へ」と宗教者の責務を果たさなければなりません。
 東日本大震災・原発被害者への募金に毎年取り組んできました。今年も継続いたしますので、ご協力の程、よろしくお願いいたします。
  被爆者連帯と原発被害者支援募金は、1口1,000円で5口以上お寄せいただいた方には「ちひろカレンダー」を贈呈いたします。
どうぞ、ご協力くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

   2021年11月8日
                         日本宗教者平和協議会

代表委員: 榎本栄治 奥田靖二、工藤良任、桑山源龍 高木孝裕 殿平善彦 宮城泰年、山崎龍明

代表理事:荒川庸生 遠藤教温 長田 譲 小野和典 岸田正博、平沢 功、山本光一

事務局長: 森 修覚