原水爆禁止世界大会ニューヨーク代表団派遣中止について


 日本原水協代表団参加の中央団体、都道府県原水協、個人参加のみなさん。
 原水爆禁止世界大会ニューヨークに向けて、「ヒバクシャ国際署名」などのご奮闘に心から敬意を表します。
 新型コロナウイルス感染の世界的なひろがりの事態に対応するために、世界大会ニューヨークを主催する国際企画委員会は一昨日(311日)、オンライン会議を開き、424日、25日に予定されていた「世界大会ニューヨーク」、26日の屋外での集会と行進をすべて中止することを決定しました。
 427日から国連で開かれる予定のNPT再検討会議は、まだ主催者側からの変更発表がありませんが、決定は、新型コロナウイルスの世界的な広がり、国連関係のこの間の一連の会議の変更や中止、国連の建物への外部からの立ち入り禁止、ニューヨーク州と市の緊急事態宣言など現在の動向、大会参加者の渡航への制限や健康への影響などを考慮したもので、日本原水協もこの措置を支持しました。発表文全文は、添付の通りです。
 新型コロナウイルスへの感染は、世界が協力して克服すべき問題であり、人類の生存と平和のために活動する私たちが積極的にとりくむことは当然ですが、同時に、核兵器の廃絶は、現在も変わることのない重要かつ緊急の課題です。
 私たちは、「世界大会ニューヨーク」に寄せられた支持と行動を力に、「世界大会のよびかけ」が目標に掲げた「核戦争を阻止し、核兵器の全面禁止・廃絶を達成し、世界の被爆者の援護と連帯」のための行動を、現在の条件に即した総意的なとりくみで継続し、さらに大きく発展させる決意です。
 被爆75年、今年8月の原水爆禁止世界大会をめざして、5月から始まる国民平和大行進、秋の国連総会をゴールとする「ヒバクシャ国際署名」などの共同のとりくみの成功のために、みなさんの参加と協力を心からよびかけます。
2020313日 原水爆禁止日本協議会


NPT再検討会議延期


国連事務局は3月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、4月~5月にニューヨークの国連本部で開催が予定されていた核不拡散条約(NPT)再検討会議について締約国が正式に開催の延期を決定したと発表しました。
 延期後の開催時期はなお未定で「事情が許すかぎり速やかに、遅くとも2021年4月までには」開催するとしています。

国民平和大行進


 中央実行委員会としては国民平和大行進を中止とはせず、知恵を出し合い実施します。緊急事態宣言が出された場合は中止。(3月23日現在)

被災66年3・1ビキニデー久保山愛吉墓前祭誓いの言葉

原水爆禁止世界大会実行委員会運営委員会共同代表 野口 邦和(代読・高草木博)

 久保山愛吉さん、あなたが「原水爆の犠牲者は私を最後にしてほしい」との遺言を残されてから66年が経とうとしています。私たちは本日、66回目のビキニ被災事件の日を迎えています。
 第五福竜丸がビキニ水爆実験により被災し、半年後にあなたが亡くなられたことに、私たちは大きな衝撃を受けました。広島、長崎、ビキニと三度原水爆の被害を体験した私たちは、原水爆の恐ろしさを身をもって学び、全国各地で原水爆禁止署名運動に立ち上がりました。こうして原水爆禁止を求める人びとの声が急速に広がり、1955年8月に第1回原水爆禁止世界大会が開催され、同年9月に原水爆禁止日本協議会が誕生しました。1956年8月の第2回原水爆禁止世界大会の中で日本原水爆被害者団体協議会が誕生しました。
 日本の原水爆禁止運動は世界大会を軸に署名活動、国民平和大行進、原爆展の開催など、草の根の国民の力であらゆる困難とたたかってきました。日米両政府の妨害を乗り越え、核兵器の使用をくい止め、核兵器廃絶の課題を世界諸国民の運動に広げ、遂に2017年7月、核兵器禁止条約を国連加盟国の3分の2、122か国の賛成により採択させました。現在81か国が調印、35か国が批准しています。いまや核兵器廃絶の課題は国際政治の本流となり、一握りの核保有国と核依存国だけが核兵器に固執しているに過ぎません。国際政治の焦点は、核兵器禁止条約を可及的速やかに発効させることにあります。核兵器禁止の国際的潮流を発展させる原動力は市民社会の運動であり、唯一の被爆国日本の原水爆禁止運動への期待は大きく高まっており、責任は重大です。
 ビキニ被災66年、広島・長崎の被爆75年、国民が核兵器の非人道的恐ろしさを体験しで立ち上がったビキニ被災事件の教訓に学び、各地で原爆展などを展開して被爆の実相を全国民に伝えることが重要です。私たちは、被爆者が呼びかけた「ヒバクシャ国際署名」を旺盛に行い、その成果をNPT再検討会議に持ち寄る決意をしています。NPT再検討会議の直前には、ニューヨークで原水爆禁止世界大会も開催されます。こうした力を結集して被爆75年となる8月の原水爆禁止世界大会を大きく成功させ、世界諸国民の先頭に立って核兵器廃絶の扉を開く歴史的な使命を果たすために奮闘することを誓います。

日本原水爆被害者団体協議会 事務局次長 大下 克典

  久保山愛吉さん、
あなたがビキニ環礁近海のマグロ漁船「第五福竜丸」で「死の灰」をあびられたのは66年前の1954年3月1日でした。あびられた放射線の量が桁違いで闘病むなしく「原水爆の犠牲者は私を最後にしてほしい」と言い残して亡くなられました。さぞやご無念だったことでしょう。(合掌)
 一方、私は広島の被爆者です。当時2歳でした。爆心地から西方3・5kmの家の中で被爆したのだそうです。当然ですが私には当時の直接の記憶はありません。でも、幸運なことに今日までこうして生きてきました。
今年は被爆75年という節目の年で、「核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議」が4月下旬から5月にかけて国連で開催されます。日本被団協からも被爆者関係54名の代表団を派遣し、この会議の成功を願って国連本部ロビーでの原爆展や証言活動、「ヒバクシャ国際署名」の提出なども行うことになっています。
「ヒバクシャ国際署名」といえば、皆様のご協力で昨年10月に累計1051万7872筆を提出しました。そして、最終的には9月18日を締切りとして10月の国連総会・第1委員会に提出することになっています。最後のご協力を皆様にお願いいたします。この署名を国連に提出することが何の役に立つかといえば、久保山さんも強く望まれ、被爆者も切に願っている核兵器廃絶に向けての一歩となる「核兵器禁止条約」が効力を生ずるための手助けになる、ということです。「核兵器禁止条約」は2017年7月、国連で採択されましたが、まだ効力を発していません。50ヵ国以上の批准が必要なのに対し批准した国は今年2月20日現在で35ヵ国です。署名をみて批准する国が増えるのではないでしょうか。しかるに、唯一の戦争被爆国として率先して批准し、核保有国との橋渡しをすべき日本が、核の傘の下を理由に反対するとは何たることでしょうか。被爆者として腹立たしい限りです。
 被爆者として生きている一人ひとりは微力ですが、久保山さんの陰のお力やここにお集まりの皆様の力をお借りして、核兵器のない世界へ向かって一歩一歩進めていくことをこの墓前にお誓い申し上げます。安らかにお眠りください。

全国労働組合総連合 副議長 長尾 ゆり


 1954年、久保山愛吉さんが、アメリカによる水爆実験で「死の灰」をあびてから、66年目の三月一日を迎えました。あらためて、「原水爆の犠牲者は、私を最後にしてほしい」というお言葉を胸に刻んでいるところです。
 地球滅亡までの時間を示す「終末時計」の針は、「残り百秒」を指し、戦後、最も「終末」に近づいたと報道されました。核戦争と気候変動への対策の遅れが、地球の未来を奪おうとしています。
 一方で、被爆75年の今年、世界は「核兵器廃絶」に向かって大きく動いています。核兵器禁止条約には35カか国が批准し、条約の発効が見通せる段階になりました。被爆者の苦しみに心を寄せ、核兵器は国際法違反だと、きっぱりと断罪した核兵器禁止条約は、核兵器の廃絶につながる画期的な条約です。この流れを押しとどめようとするのは、一握りの核保有国と「核の傘」に依存する国々だけです。
 いま、私はあらためて、被爆者を先頭にした世界の平和運動と、一人一人の平和への思いを集めた署名の力が、この核兵器禁止条約を生み出し、実現への流れをつくっていることに確信を深めています。
66年前、ビキニ環礁で被災し、広島・長崎に続いて三度、核兵器による被害を受けた国民は、署名運動に立ち上がりました。燎原の火のように広がった署名は、翌年の一九五五年には3200万を超え、「原水爆禁止」の世論を示しました。
いま、その歴史の教訓に学びながら、核抑止力論にしがみつく核保有国の態度を変え、また、被爆国でありながら核兵器禁止条約に反対している日本政府の態度を変えるために、ヒバクシャ国際署名の共同を大きく広げることを、久保山さんの墓前でお誓いいたします。
 安倍政権は、戦争する国づくりをつよめ、「九条改憲」を強引に進めようとしています。一方で市民と野党の共同がかつてなく広がっています。激しいせめぎ合いの時代、共同をさらにひろげ、安倍改憲を必ず止めることを、お誓いいたします。核兵器禁止条約と憲法九条でこそ、平和と安全を守ることができる、その確信の下、運動を広げてまいります。
 労働者・国民が安心して暮らせる社会をめざし、子どもたちに核兵器も原発もない平和な未来を手渡すため奮闘することをお誓い申し上げ、墓前の言葉といたします。

日本共産党中央委員会・准中央委員 前衆議院議員  島津 幸広

 誓いの言葉
 久保山愛吉墓前祭にあたり、日本共産党を代表して「誓いの言葉」を申し上げます。
 今年もまた、この墓前祭のために弘徳院境内地を提供してくださり、読経ご法話をおつとめ下さったご住職様に、そして焼津仏教会の皆様に御礼を申し上げます。
 今年の3・1ビキニデーは、核兵器廃絶を求める世論が大きく高まるもとで、開催されています。そのなかでも、宗教界の反核平和の動向に注目が集まっています。ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は昨年11月、長崎と広島での発言で、核抑止力を否定し、核兵器の非人道性と環境破壊を告発したうえで、「核兵器禁止条約を含め、核軍縮と核不拡散に関する主要な国際的な法的原則に則り、たゆむことなく、訴えていきます」と語りました。広島平和公園での教皇を迎えた「平和のための集い」には、全日本仏教会会長や神社本庁総長を含む日本宗教連盟加盟諸教団代表に加えて、日本ムスリム協会会長、日本ユダヤ教団ラビなど19人の宗教指導者が壇上に上がりました。日本カトリック司教協議会は「核兵器禁止条約への署名および批准」との要請文を安倍首相宛に提出しました。全日本仏教会は「ヒバクシャ国際署名によって核兵器が廃絶され、世界の平和と環境、人権を尊重する世界が実現することに賛同し、署名活動への協力をしてまいります」と署名運動に立ち上がりました。真宗大谷派教団、浄土宗教団など仏教諸教団が署名運動を展開しています。こうした動きの背景に、日本宗教者平和協議会のご奮闘があります。日本宗平協に敬意を表します。
 久保山愛吉さん。あなたの願いは、こうして日本と世界を動かしています。
 日本共産党は1月に開いた第28回大会で、「核兵器禁止条約に署名し、批准する政府をつくろう」と決議しました。
 私は、この決議の実現に全力をあげる決意を表明して、「誓いの言葉」といたします。

日本民主青年同盟中央委員会 静岡県委員会委員長 橋爪 春人

 アメリカによるビキニ水爆被災から66年が経過しました。毎年、この墓前祭の場で「原水爆の被害者はわたしを最後にしてほしい」という久保山さんの言葉を噛みしめてきました。
 歴史をひも解けば、私たち日本の国民は、広島、長崎、ビキニと三度原水爆の被害を体験しました。日本国民は、過去の経験から原水爆の非人道性を学び、全国各地で原水爆禁止署名運動に立ち上がりました。こうしてビキニ事件を契機に原水爆禁止を求める人びとのうねりが、半世紀以上経った今、国連で採択された核兵器禁止条約へと結実しつつあります。
 また、核兵器近似条約の発効を目指す動きにとどまらず、自由と民主主義を求めて立ち上がった人々の声と行動が、大きく世界を動かしつつあります。「気候正義」を求めて立ち上がったグレタ・トウーンベリさんの訴えは、思いを同じくする世界中の青年を動かしました。「個人の尊厳」とジェンダー平等を求める運動は、抑圧下に置かれてきた女性たちを励ましています。
 世界中の市民が平和で公正な社会の実現を求めて立ち上がる一方、日本では、安倍政権が9条改悪に執念を燃やし、歴史逆行の政治を推し進めています。しかし、平和を求める私たち青年・国民の運動が、市民と野党の共闘を発展させ、憲法を変えさせない力となってきました。さらにこの間の選挙戦を通じて、政策的な一致点も広がり、野党連合政権を展望するところまで発展しつつあります。今こそ、私たちの力で新しい政治を切り開くときです。ヒバクシャの方々と一緒に核兵器のない世界を実現するために、まずは日本の核兵器禁止条約に参加する政府を実現させましょう。
 自民党政治の行き詰まりと安倍政権の暴走は、青年の願いとの関係でも矛盾を深めています。多くの青年が安倍政権の下で深刻な実態を抱えながら、変える展望を求めています。幅広い青年と手をつなぎ、社会を変える主権者として立ち上がりを広げる決意です。
 66年前、原水爆禁止を求めて立ち上がった市民の運動は、当時の国民の3分1の人々から署名を集め、国民的運動と呼ばれる規模にまで大きく広がりました。こうした人々の平和への思いを受け継ぎ、久保山さんの言葉を胸に、世界と日本で始まった新しい政治を生み出す胎動を力強く発展させる先頭に立つことを決意し、誓いの言葉とします。

日本科学者会議静岡支部 代表幹事  谷 健二

 第五福竜丸の水爆被災から66年を迎えるに今日3月1日、改めて久保山愛吉さんの墓前に立ち、3・1ビキニデー静岡県実行委員会を代表して、核兵器廃絶と平和な世界の実現に向けて一層力を尽くすことをお約束する誓いの言葉を捧げます。
 誓いの言葉を捧げる前に、この間、中国から端を発した新型コロナウイルス感染症の日本での感染拡大を防止するために3・1ビキニデーの諸行事が中止なりましたことをお知らせいたします。原水爆禁止世界大会実行委員会との共催である3・1ビキニデー集会、日本宗教者平和協議会との共催である墓参行進、ともに中止となり、宗平協さまの主催の久保山愛吉墓前祭のみ開催されております。
 さて、広島・長崎での被爆から75年にあたる本年は、核不拡散条約(NPT)発効から50年目の第10回NPT再検討会議と原水爆禁止世界大会ニューヨークが開催される節目の年です。
 2017年7月、国連は圧倒的多数で核兵器禁止条約を採択しました。現在、条約は署名81カ国、批准が35カ国に広がり、条約発効に必要な50ヵ国に迫っています。そして核兵器禁止条約採択後初の、NPT再検討会議が4月にニューヨークで開かれます。2010年の再検討会議を最後に、行動目標の合意文書は成立しておらず、今年の会議でも厳しい議論が予想されています。安倍首相は、2018年8月6日広島市での平和記念式典の記者会見で「核保有国と非核保有国の橋渡し役として国際社会の取り組みをリードし、2020年NPT運用検討会議に向けた国際的な機運を高めていきたい」と前向きなポーズをとりつつも、核保有国の手足をしばることにつながる明確な姿勢を示すに至っていません。それより、核軍備増強を掲げるトランプ政権にすりより、核兵器禁止に一貫して背を向け続きてきました。そのトランプ政権は「パリ協定」から離脱し、米ロ間の中距離核戦力(INF)全廃条約、イラン核合意から離脱しました。アメリカだけでなく小型核兵器の開発、紛争での戦術核兵器の先制使用、ハイパーソニック兵器、宇宙の軍事化、サイバー攻撃など、新たな危険も核大国を中心に広がっております。
 一方、核兵器など大量破壊兵器の危険と同時に地球温暖化など環境破壊の危険が人類課題として挙げられています。そうした中、スウェーデンの環境活動家のグレダ・トゥンベルさんの「いま、行動しなければ・・・人類絶滅の始まり」の訴えと、昨年11月のローマ教皇の広島・長崎での演説、「核兵器は安全保障への脅威から私たちを守ってくれるものではない・・・核兵器の脅威に対しては、一致団結して応じなければなりません」との呼びかけは、私たちの行動を応援してくれるものです。
 被爆国日本が核兵器禁止条約の署名・批准・発効の先頭に立つ国になるよう、非核平和をめざす全国の草の根の活動と共同のたたかいを通じて、「核兵器のない世界」の実現に向けた新たな運動を切り開くことに全力を尽くしていく決意をここに表明し、誓いの言葉とします。

新日本婦人の会事務局長 高杉 しゅん


 3・1ビキニデー・墓前祭にあたり、久保山愛吉さんをはじめ犠牲になられた方々を偲び、一日も早く核兵器のない世界の実現へ、そして日本国憲法を守りぬく決意を新たにしております。また、長年にわたって、この墓前祭をとりおこなってこられた、日本宗教者平和協議会のみなさま方に、感謝を申し上げます。
 66年前の3月1日、南太平洋マーシャル諸島のビキニ環礁でのアメリカによる水爆実験で、1000隻をこえる日本の漁船が被爆し、周辺の多くの島民がいまだに健康被害に苦しんでいます。こうした被爆者や核実験被害者とともにすすめた草の根運動が、国連や各国政府、各国NGOとも手を取り合い採択された核兵器禁止条約は35カ国が批准、発効まで15カ国と迫っています。
 いま、核兵器の脅威と気候変動への対策の遅れで、「終末時計」の針は残り100秒、地球の「終末」にもっと近づいたと発表され、核兵器をなくそう、気候変動を止めようと行動が広がっています。創立いらい58年間、核兵器廃絶、憲法改悪反対をかかげ続けてきた新日本婦人の会は、9条改憲反対の緊急署名とともに、被爆75年の今年、ヒバクシャ国際署名の5月末までの目標達成をめざし、班で原爆パネルの活用と行動をつよめています。党派を超えて広く世論を結集し、一日も早く安倍政権を退陣に追い込み、核兵器禁止条約に署名、批准する政府をつくっていくために、次世代とともにいっそう力をつくす決意を述べまして、「誓いのことば」といたします。
 

宗教者を代表して 西山浄土宗僧侶 田邊 修一


 私は、京都宗教者平和協議会の事務局長を仰せつかっております。また、京都・西山の麓の光明寺を総本山とします、西山浄土宗の僧侶で布教師でもあります、田邊修一と申します。
被災66年、3・1ビキニデー、久保山愛吉墓前祭にあたり、久保山さんの墓前にて、一言、誓いの言葉を申し上げます。
 今年は私共が願っております「核兵器のない世界」の実現めざし、NPT(核不拡散条約)再検討会議と原水爆禁止世界大会inニューヨークが開催されます。
 2017年7月7日、国連で、核兵器禁止条約が採択され、条約発効へ(批准で50ヶ国必要)現在、調印で81ヶ国・批准で35ヶ国に到達し、あと残り15ヶ国になっています。
 全日本仏教界(全日佛)では、ヒバクシャ国際署名の賛同・下部傘下の宗教教団への協力指示を得るなど、真宗教団には、私たちの仲間の力添えで賛同を得て、末寺への協力号令を下されるなどの活動につながっています。
 ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のノーベル平和賞の受賞につながったエネルギーをさらに広げ、久保山愛吉さんの最期のことば「原水爆の犠牲者はわたしを最後にしてほしい」の心を大切にして、一日も早く墓前に報告できますことを新たに決意して誓いの言葉とします。

天下和順(てんげわじゅん)日月清明(にちがつしょうみょう)風雨以時(ふうういじ)災厲不起(さいれいふき)国豊民安(こくぶみんなん)兵戈無用(ひょうがむゆう)崇徳興仁(すとくこうにん) 務修礼譲(むしゅらいじょう)(無量寿経・下巻より)
合 掌

お詫び

 3・1ビキニデー久保山愛吉墓前祭に寄せられた誓いの言葉は規模縮小のため当日参加可能な方のみさせていただきましたことをお詫びします。

矢野太一先生を偲んで

大阪宗平協理事・天理教平和の会役員 平山 栄子 


 あれから2週間以上が経っても、先生の「お直し」の実感が沸かず、受信覧を無意識に目で追ってしまう。それほど先生はお出直し直前まで「平和の会」行く末を案じ、役員、殊に私にアドバイスを送信続けてくださった。
 先生の信仰の根本は、あくまで教祖(おやさま)中山みき。人が何と言おうと、たとえ教団本部であろうとも、まず自分自身の胸に問え、「おやさま」ならどうなさる。迷いが生じたとき、この信仰信念は非常に有り難く正しいと思えた。教団を非難するわけではないが、平和問題・憲法9条護れ・エネルギー問題・脱原発も、「おやさま」中山みきのお言葉に沿って、これからも会の運動を推し進めてゆきたい。
「嘘と追随これ嫌い」と仰ったおやさま、初代会長長谷川俊夫先生を含め、会の役員の誠実な人柄に感謝しています。
 教会内には、矢野先生の言動を快く思わず、無関心で耳傾けぬ人々も多いなか、さぞ孤独であったろうと推察する。だけど、「大阪宗平協」の立ち上げ当初から私は先生と行動を共にし、「宗祖教祖」の信仰に殉するじる他宗教者と交わり、学び悟り励まされ勇気を得て成長した。
 時には年若い僧侶理事に苦言を呈したり拍子木をたたき過ぎと苦情も聞こえたが、我意に分けずの風であった。
 歴史に明るく、歴史名所巡りやその学習会講師も務められた。私の次女が和泉市の「葛の葉神社」ゆかりの伝承を大学の卒業制作に選ぶと、足を運んでアドバイスを下さり、そのパネル画に起こした。次女は「卒業制作展」で受賞し、大変喜んでくださった。和泉市の教育関係職についておられ、これを市役所内に展示して一般公開してくださった。
 また、大阪に半世紀以上続く労働者の社会派劇団が「鶴彬」を公演すると感動して楽屋まで、長女夫妻を見舞って激励して下さり、劇団員を驚かせた。そのことを「天理教平和の会」の会報に掲載され、平和の大切さを訴えられた。そうした先生の人柄で、わたしよりも娘達日頃ラインを通して交流を続けられた。
 そして、自らの運命を冷静に受け止め、事細かに亡き後の手記まで一人娘家族に託し「あの世からの挨拶状」も用意されていた。あっぱれという他ない。
 先生の葬儀日は、奇しくも私の実父の命日であり、母の葬儀日。
コロナウィルス感染拡大の中、くれぐれもご自愛くださいませ!

去る3月14日に逝去されました矢野太一代表委員を偲び、昨年の3・1ビキニデー久保山愛吉墓前祭での誓いの言葉を掲載します。

 
 天理教平和の会の矢野でございます。平和の会を代表して久保山愛吉さんの墓前に誓いの言葉を申し上げます。
 天理教平和の会は今から15年前、九条の会の呼びかけに応えて、「平和の願い」を共有する教内の有志により結成されました。
 それから今日まで天理教本部の祭典日である26日に毎月例会を開催し、隔月に本部前で参拝のため帰ってこられた信者さんに対してチラシを配り続けて参りました。
 その内容は主に「核兵器の廃絶」「九条守れ」「原発の再稼働を許さない」「辺野古移設反対」などであります。これまで配ってきた枚数は26万枚を超え、チラシを受け取った人から「私も地域の九条の会で活動しています」「天理教にこんな会ができて本当にうれしい」是非、入会したいという人が相次ぎ、結成当初10人ほどの会員も現在、100名近くにに達しています。
 私たち平和の会の行動原理はあくまでも教祖中山みきの教えであります。教祖は明治政府による圧迫、弾劾、拷問等により90歳で現身を隠されましたが、いかなる弾劾にも屈することなく終始一貫説かれたのは争いもなく平和でみんながが幸せに暮らせる陽気ぐらし世界の建設であります。
教祖中山みきの書き残されたおふでさきに 
 「せかいぢういちれつわみなきよたいや  たにんとゆうわさらにないぞや」
 世界73億の人間は、等しく親神の子であり兄弟であります。お互いに憎しみ、傷つけ、殺し合うことなく、互いに立て合い助け合って平和の裡に幸せに暮らすことを望んでおられます。
 「これさいかたしかにしよちしたならば  むほんのねへわきれてしまうに 」
 世界中の人間はみな神の子であり兄弟であることをしっかり心に治まれば争いの根は切れます。
 「月日よりしんぢつをもう高山の たたかいさいかをさめたるなら」
 親神の真実の思いは争いなき平和な世界であります。このことを世界の指導者が心の底から自覚すれば、争いのない平和な世界が訪れます。それこそが親神の切なる願いであります。
 こうした、親神様、教祖の思い、「私を最後にしてほしい」と言って亡くなられた久保山愛吉さんの願いを受け継ぎ、他宗派の人たちや民主団体と共同して「核兵器のない平和な世界」を目指して精進を続けることを決意し、誓いの言葉といたします。