2016年1月号

年頭のあいさつ
理事長 荒川 庸生
真宗大谷派・長永寺住職

 迎 春『戦後に生まれて 戦前に死するか』(朝日新聞時事川柳より、正確ではないかも知れません)戦争法が国会で紛糾しているときに投稿されたものです。戦後の混乱期に生まれ育った世代の共通の思いではないでしょうか。新憲法のもとに生きてきた者にとっては、その理想の完全なる実現をいつも願ってきました。
 しかし、世界に先駆的な憲法の基本理念、絶対平和主義・立憲民主主義・基本的人権の尊重は、戦後70年の昨年、自・公政権によって乱暴に蹂躙されました。各種世論調査によっても絶対多数の反対があったにもかかわらずの強行でした。戦争法に限らず、原発の再稼働、沖縄の新基地建設、詐欺的な軽減税率で粉飾された消費税の引き上げ、TPPなどなど国民の意思は無視されつづけています。民意を反映しない選挙制度のもとでかすめ取った国会の議席だけを後ろ盾とし、一部大企業の利益だけを優先した、まさに独裁政治です。
 「アベ政治を許さない」は、いのち・暮らしにとって時代の逆行を食い止める最大の合言葉です。自覚的に自らの言葉で語り始めた無数の市民と連帯して私たち宗教者もそれぞれの宗教的信念に基づいて、「平和の祈りを 行動の波へ」への日本宗平協のスローガンの実践として声を上げつづけ、身も動かしてまいりましょう。
 本年は、5月の拡大全国理事会を沖縄で開催の予定です。普天間基地の無条件撤去と辺野古新基地の建設断念を求める「オール沖縄」の闘いに連帯し励ます行動に会員・読者の皆さまの参加を呼びかけます。また、スケジュールを調整して基地闘争の原点とも言える伊江島も訪ねたいと企画を練っています。
 米軍の暴虐にたじろぐ事なく毅然とした態度を貫き、困難の中でも豊な人間性を発揮しながらミサイルの搬入やベトナムへの軍用機の飛行を阻止した伊江島の人々の闘いの歴史は、現代においても大きな示唆をいただける事でしょう。伊江島の基地機能の強化が画策されていますが、「オール沖縄」に学び「オール・ジャパン」の闘いで新基地阻止、戦争法撤廃、原発廃棄実現に向けて歩みをつづけてまいりましょう。

日本宗教者平和会議in大分 記念講演

記念講演
「戦後70年・戦争観と現代責任」②
中島三千男(元神奈川大学学長)

学生たちからの素朴な疑問
 (前号から)、これが出てきたのは、客観的な状況ではなくて、宗平協を含めて戦後の民主主義勢力・革新勢力が粘り強い運動を継続し、理論闘争を行ってきたことが、客観的な情勢にからんで実を結んだという背景があったのです。
 こういう中で、日本政府が日本社会に対応ということで、今問題になっている、細川首相(当時)の言う、初めて、侵略戦争であったとか、河野談話・村山談話というものが、1990年代の初頭に次々と出てくるというのは、こういう大きな流れの中でのことであったのです。
 あるいは、靖国参拝の自粛、また、教科書問題における南京大虐殺、強制連行、従軍慰安婦の記述です。今までは載ることはなかったのです。

自存自衛、アジアの解放のための戦争観
 三つ目の戦争観は、自存自衛、アジアの解放のための戦争観です。これは現在安倍政権を支えている多くの閣僚たちの戦争観です。あの戦争は、日本は自分たちの一存で生き延びていくために、また、そういった意味では、日本を守るために行った戦争であるという考え方です。そして、それだけではなく、もっと「崇高な」、アジアを解放するという、「立派な」理念をもった戦争であるという考え方です。
 この考え方に立つと、「大東亜戦争」ですね。戦前の考え方ですから、「太平洋戦争」でもなく、「アジア・太平洋戦争」でもなく、「大東亜戦争」という概念であります。図式は、欧米対日本・アジア、日本を盟主とするアジアと欧米とのたたかいでありました。自存・自衛ということはよく言われますが、ABCDライン…これが引かれたから日本がもうやっていけなくなった。だから日本はアメリカと戦争を行こなったんだという考え方ですね。
 それから、アジアの開発の状況を見て下さいねということもあったと思います。その当時、アジアの国々はどんな状況であったかというと、みんなそこに書いてあるように、アメリカを含めたヨーロッパの植民地でありました。インドネシアにいたっては、何百年かによるヨーロッパの支配がずっと続いている状況下でありました。これを日本が打ち破った、初めて、長年の白人支配を打破したということです。
 そして、そのことによって、戦後日本が敗戦により引き上げたあと、またイギリス・オランダが東南アジアにやって来ます。その時に東南アジアの国々はイギリス・オランダに対し独立戦争を行います。その独立戦争の「武器」になったのが、日本の占領時代に培った精神力であるとか、あるいは、青年団等の組織結成などが日本によりつくられたから対イギリス・オランダ等の独立戦争に勝てたということです。今日もし時間があれば映画等も見ていただきたいのですが、『独立アジアの光』というものです。この立場から制作された映画なんです。安倍さんたちの立場からの映画です。インドネシアやマレーシアの人たちは口々に言います。「日本のおかげで私たちは独立の気概を背負うことができたんだ。今まで私たちは欧米人を見ると、背も高いし『神様』のように思っていた、顔を合わせたら目を伏せていた、ところが、日本軍が入って来てその人たちを追い出した。欧米の人たちは神様でもなんでもないということを初めて日本軍により教えられた。」…映画の中でこう言うんですね。これ見たら学生たちは、ああ日本も少しはいいことをしたんだという感慨ですね。ついこう思ってしまうという映画があるんです。
 今、東南アジアの話をしましたが、これは東南アジアだけではなくて、植民地解放ですね、台湾・朝鮮でも同じことです。例えば、台湾では、鳥山頭ダム(八田與一ダム)のように広大な穀倉地帯に日本の八田與一さんという人がダムを作ったんです。そしてそれが今日まで生きているんです。だから台湾では、国民党や民進党政権下であっても毎年必ず総統が記念式典に参加しているという状況です。だから日本は決して悪いことをしたわけではないんだと。韓国であれば、韓国人の市井の研究者ですが、「植民地近代化論」。今韓国が、自動車や半導体等の分野でも日本を追い越すようになった、なぜだろうということが言われるときに、植民地支配下の時代にいわゆるインフラの整備(道路・港湾・鉄道・教育制度など)が行われたことが大きな要因であるということが言われています。こういったことがアジアの解放につながった戦争であったと。
 レジュメの④になりますが、これはいつごろかと言いますと、あの戦争というのは、加害者として侵略をしたという戦争であったのではないという問い直しが1980年の後半から1990年の初期に生まれましたけれども、実はそのことと関連しているんですよね。これは戦前の日本の公式見解です。8月15日の玉音放送でも天皇が言っていることは、私たちは米英と戦争するために戦争したのではないと。アジアを解放するため、日本の自存自衛のために戦争したのだということをあの玉音放送でも言っているんですよ。まさに戦前の公式の戦争観であったわけです。戦後は必ずしも市民権は持ち得なかったのですが、このことが急速に出て来たのは、やはり、加害者・侵略者の戦争観ですね、このことの定着に対するすごい危機感です。そういったものに対する巻き返しという側面があるかと思います。1995年に自由主義研究会が発足し、新しい教科書をつくる会ができ、加害者・侵略者としての戦争観を自虐主義史観というレッテルを貼りまして攻撃をします。それで、2001年に「つくる会」の教科書が検定を通過します。
 だから今の中学校の公民、教科書では、南京虐殺とか強制連行徴用、従軍慰安婦とかはまったく載っていません。高校の教科書はまだ残っていますよ。あの1994年段階から検定段階ですべての教科書に載ったのですが、今はまったく中学の教科書には載っていません。
 次のページに移ります。「背景」の2~5にもいくつか載っていますが、ひとつは、1990年バブル崩壊以降の「失われた10年」「失われた20年」と言われた、日本人の自信喪失とか内向きの閉塞感とかという言葉が多いんですよね。そしてそれと対局して、中国をはじめとする新興国の台頭、中国が日本を抜いて第二の経済大国となった。韓国の半導体・鉄鋼・自動車等、これまで中国や韓国などをいわゆる上から目線で見てきた多くの日本の技師から見ますと、なぜあの国々に俺たちはいろいろと言われなくてはならないのか、ということですよね。だから、自信のなさの裏返しと私は考えているわけです。嫉妬心と警戒感…これは口には出さないけれども、今の日本人の多くの感覚としてあるのではないかと。中国・韓国嫌いが、まあこれは相手国もそうですが、八割や九割を占めるような背景の中に実はこの感情があると思うのです。今まで中国や韓国へは余裕を持って眺めていたのですが、経済大国になって日本に追いついたという意識を韓国人が持ち始めたということに対する日本人の危機感とか嫉妬心ということですね。
 それから、一番大きなことは、日本は被害者であるという意識が蔓延したということです。加害者観というのは、頭の中で、1980年代から90年代にかけて市民権を持ち広がりましたが、ここに記してある北朝鮮の拉致問題、そして中国の尖閣諸島をめぐる問題、一番決定的になったのが、2010年の漁船の衝突事件、これはもうユーチューブで何回となくお茶の間のテレビに流れて、いかに中国がひどいことをしたかというあの漁船の体当たりの場面ですよね、私はあれは意識的に流したのだと思っていますけれども。それから、反日デモの暴徒化の問題、韓国では従軍慰安婦の問題、李明博前大統領の竹島上陸等、こういう振る舞いによって、戦前の加害侵略の歴史を(日本人は)必ずしもきちんと知ってはいませんから、あたかも日本人たちが、私たちが、被害者であるという認識がすっかり日本の中にも蔓延してくるということです。
こうしたことを背景に、例の自民党の「日本を取り戻す」という言葉が出てくる…日本は戦争に負けたけれども、経済復興をし、アジアに冠たる大国になった。しかし、この「失われた10年」「20年」の間に、中国・韓国・台湾・東南アジアの国々が経済発展をしてきたという中で、もう一度日本を取り戻すという考えが出てきたのです。あるいは若者とか女性、「愛国女子」という言葉が週刊誌を一時賑わせましたが、ヘイトスピーチも登場しました。さすがに最近はヘイトスピーチは減ってきたようですが、今流行っているのは、「褒め本」です。本屋さんに行くと、日本はいかにすばらしいかといったような…もう恥ずかしくなりますよね、特に外国人がこのように言っていますとかね、いわゆる「褒め本」に溢れているような状況です。日本はすばらしい国である、外国はみな日本を尊敬しているということ…これはここに記してあるように、一昔前までは日本が上と余裕を感じられた層、プライドが崩れた中高年層をやさしく慰め安心材料を提供している、多くの日本人の自己愛が傷つき危機にさらされているということです。
 それからやはりもっと大きな流れで言いますと、グローバリゼーション(格差社会)の中での新しいナショナリズムの台頭ですね。グローバリゼーションというのは、経済のグローバリゼーション(新自由主義)の中でのいろいろな論があり詳しくはありませんが、大きな特徴を言えば、格差を拡大するということです。これは日本だけではなく、アメリカでもヨーロッパでも深刻な問題です。あるいは中国でもそうです。アメリカで言われた「一パーセントの人が九十九パーセントの人を支配する」…そんな格差社会が広がってきているという状況です。こういう中で各国がナショナリズムを政府も煽るのです。国内における格差社会、下におちた人たちの不満をかわすために、中国でも韓国でも、日本の安倍政権においてもそうだと思っています。
 今日本では、貧困という問題が大きいし、子供の貧困に至ってはかつて見られないくらいの信じられない状況ですね。本来ならば、こういう状況は、政権をひっくり返す乱であることになるのですが、ここはまた歴史のおもしろさであるのかもしれません。そういう人たちというのは、長期的にもっと長い目で見ようとかという示唆は持っていません。明日の食べ物をどうしなくてはいけないかという目の前のことに追われざるを得ないという状況になっているのです。家庭でも、職場においても、地域においても、自己をアイデンティティーを持つことができない、そういう人たちはどこに持つかというと、やはり強いもの、力のあるものにアイデンティティーをもつことになる。日本であるとか、日本人であるとか、そこに唯一アイデンティティーを持って自分たちを保っているのです。
 安倍政権はここをうまく利用しているのです。今度の安保法案、戦争法案で支持率下げたといっても、自民党が依然として30パーセントの圧倒的な支持を受けている。安倍首相が支持率落ちたといっても40パーセントからずっと維持しているという、ここの背景というのはこういうグローバリゼーション化における格差社会でこの問題がよこたわっているのではないかと思います。

三つの戦争観のまとめ
 三つの戦争観のまとめに入りますが、被害者・犠牲者の戦争観を基盤にしながら、加害者・侵略者の戦争観と自存自衛、アジアの解放のための戦争観がせめぎ合っている状況ではないかととらえております。数年前までは圧倒的に安倍さんの言うような「アジアの解放」というようなものがびゅっと強くなってきたようなんですが、この1、2年また少し流れが変わってきていると感じます。今度の安保法案に対して、また、3・11の津波・原発問題からちょっと変わってきた新しい芽が出てきたと思います。
 秘密保護法、今度の戦争法案などに見られるようにですね、憲法観…これは朝日新聞掲載の憲法観ですが、戦後すぐに今の憲法を改正することには反対だ、改悪であるということでしたが、1970年代の後半から80年代にかけては(憲法改正)否定派が多数であったのですが、97年に逆転したとあります。97年には、46%が憲法改正に賛成で、39%が反対、2013年には、51%と29%になる。51%までは憲法改正に賛成と…これは「憲法改正」の中身がいろいろあるんですが…まあ相対としてこのような結果になる。これが2014年に再逆転して今日に至っているという状況です。競っているいる状況ですが、それぞれの憲法改正に反対する人が反対する人より増えているという状況下では、少しながれが良い方に変わってきているとと思います。
 これが本当に定着するかどうかはまだわかりません。この流れがこれから述べる安倍談話がどうしてあんなにつまらない談話になったのかということに関連してくると思います。安倍さんは、村山談話を完全に否定して新しい談話を作ると「かっこいいこと」を言ったのですが、それができなかった体系ですよね、ここの国民の意識の変化というものがかかわってきていると思います。      (次号につづく)

(文責、見出しは編集部で行っていますの講演者の責任ではありませんのでご理解ください)

戦争法廃止へ
共産党・市田副委員長が来訪

日本宗平協の常任理事会が開催された12月7日、日本共産党の市田忠義副委員長、土井洋彦宗教委員会責任者が事務所を来訪。市田氏が、戦争法廃止の「国民連合政府」提案について報告、懇談しました。
 市田氏は、提案パンフレットと、特集された「しんぶん赤旗」号外をもとに提案趣旨を説明し、「市民の自発的な運動と戦争法反対の世論にあと押しされて今回の提案をおこなったことを説明。数日前に、浄土真宗本願寺派の山崎龍明・武蔵野大学名誉教授と懇談したことにもふれ、野党共闘の実現にむけて、この提案の実現のため、力を合わせましょう」と呼びかけました。
 荒川庸生理事長は、戦争法に反対する宗教界の取り組みを報告するとともに「なんとしても廃止を実現してほしい。戦争法に賛成した議員を落選させ、国会内の勢力を転換して廃止を実現させましょう」と語りました。
 事務局長や代表委員、副理事長をはじめ常任理事会に参加した全員が発言し、平和を祈る宗教者として、戦争法に反対するのは当然。何としても廃案を実現する政府の実現、そのための「2000万署名」の取り組みの決意などが語られました。

山家妄想
靖国神社で仏式法要

★靖国神社の神門をくぐり、一列で境内を参進する坊さんの行列の写真が中外日報に大きく掲載された。先頭で大傘をさしかけられているのは叡南覚範毘沙門堂門跡で、世界連邦日本仏教徒協議会会長だという。時は2015年11月18日。この日同協議会は関西宗教懇話会と一緒に千鳥ヶ淵戦没者墓苑と靖国神社で「全国佛教者による戦没殉難者慰霊法要」を開催したのである。戦後70年にあたり戦没者の御魂を供養し、世界平和を祈念するためといっている。天台宗や浄土宗など9宗15派約120人の僧侶と、神道からも参加があったと伝える。拝殿において仏式法要を営んだというが、読誦したのは般若心経だったそうである。その後、本殿で玉ぐしを奉奠し二礼二拍手一礼の神式で参拝し、黙とうをささげたと伝えられている。
★「世界連邦」は国際連合が国家を単位として組織されていることに限界を見て、個人を単位にして組織することを主張する国際平和組織として、1946年10月にラッセル、アインシュタイン、シュバイツアー、チャーチル、湯川秀樹などの各氏が賛同して、世界連邦主義者世界協会として設立されたと伝えられ、国際連合に代わることをめざすのだという。日本では仏教徒協議会が1963年に結成され、日本宗教委員会が67年に組織されて、以後毎年日本大会を開いている由である。現在の会長は叡南覚範毘沙門堂門跡、副会長は吉田啓堂興禅寺長老、玉川覚祥安国論寺住職、岡本永司護国寺貫主だそうである。
★今年の会長の夏季あいさつをみると、「アジヤでは力による一方的な傲慢な支配を目指して国際法を無視した動きが生じており、憂慮されるところです。(中略)安倍総理大臣が中韓両国に対して国際法に基づく話し合いを提唱している姿勢は、まさに平和実現の精神に即したものであり、世界が範として認めるところでありましょう。」と述べている。このあいさつの情勢認識については、いささか問題を感じはしないだろうか。
★会長自身、十九歳で陸軍に入隊した兵役経験をもたれるようで、その経験が今回の靖国での仏式法要という前代未聞の行事になったのかもしれない。参拝後のことばに「(日本の今日あるは)ひとえに国のために殉じられた英霊の皆さまのおかげ。今日、感謝の誠をささげられたのはこれからの出発の基になる」とあるが、彼らが目指さんとする世界連邦の理念に合致するといえるのだろうか。
★靖国神社には「昭和殉難者」A級戦犯も合祀されている。かれらは「殉国七烈士」とも呼ばれ三ヶ根山に立派な廟所がつくられている。かれらも「現代の平和と繁栄」をもたらした人々として「感謝の誠をささげ」たのだろうか。靖国神社には遊就館が設けられている。その展示の示す歴史観が、国際連合を超えて世界平和をめざす理想の組織創りをするという運動と矛盾するとは考えないのだろうか、疑問を抱く。
★一昨年来の安倍内閣の、遮二無二アメリカと海外で戦争できる体制づくりをすすめる動きに拍車をかける行動であるとの認識はないのだろうか。仏教者と自認し、公言もする人々が、示威行進宜しく靖国神社に集団で参拝するという姿に、さきの戦時中、時流に後れることをおそれて政府に迎合することを競い合った仏教者の行動の再現を見る思いで残念である。
★安保法制、実は「戦争法」の本質を見抜けず、政治的発言を慎むという口実で積極的な意思表示をすることをためらった仏教界が、一部とはいえ前代未聞の行動をした姿に、恐ろしき時代の到来を見るのである。
★世界連邦の理念については異議をはさむことはないのだが、その一翼を構成している神道の組織については、例えば神道禊教のホームページにみられるように、極右と考えられる日本会議との連携を隠すこともない状況に、危惧の念を抱く。さきの戦争に積極的に協力した責任を、いま一度振り返り確認することによって、宗教的理念と行動の原則に忠実になることが求められているのではないか。(2015・12・1)

水田全一・妙心寺派の一老僧

2016年
日本宗教者平和協議会主催行事の予定

☆被災62年3・1ビキニデー
■2月29日(月)午後1時30分
宗教者平和運動交流集会 
かんぽの宿焼津 
■3月1日(火)午前10時30分~
久保山愛吉墓前祭
焼津・弘徳院
3・1ビキニデー焼津集会
午後1時から焼津文化センター


☆日本宗教者平和協議会
全国理事会・沖縄連帯行動
■5月23日(月)~25日(水)沖縄県

☆原水爆禁止2016年
世界大会 
8月2日から9日広島・長崎
■8月5日
「いのちをえらびとる断食のいのり」
広島・平和公園・供養塔前

☆国連軍縮週間に呼応して
日本宗教者平和会議in東京
■10月
24日(月)・25日(火)・26日(水)

被爆者援護連帯募金
ありがとうございました

昨年日本宗教者平和協議会が募金を呼びかけ、集まった連帯募金を昨年12月15日渡しました。 
 日本原水爆被害者団体協議会は今年で結成60年を迎えるとのこと、被爆者の高齢化など今後の核兵器廃絶への取り組みの決意が田中熙巳事務局長から述べられました。
 原発事故避難先の楢葉町の障がい者施設「希望の杜」、仮設住宅で避難生活をされている住民のみなさんへちひろカレンダーを送りました。 
 この募金にご協力くださいましてありがとうございました。